2017年01月24日

若宮戸 ソーラーの移転補償の検討が行われていた

1月20日のブログで、
「平成15年度若宮戸地先築堤設計業務」
について触れ、
溢水が発生した若宮戸の2箇所を含む区間の
築堤詳細設計が行われていたものの、
実際の工事には至らなかった
ということを書きました。


本築堤工事は、反対意見により頓挫してしまった形ですが、
国土交通省関東地方整備局下館河川事務所は、
この若宮戸地区に堤防が無いことを非常に心配していたことは事実です。

若宮戸地区は平成13年、14年出水により、
自然堤防前面の高水敷まで浸水した地区であり、
平成24年には自然堤防の一部が
ソーラー事業者の開発により掘削された場所
です。

国土交通省関東地方整備局下館河川事務所は平成26年度に
「H26三坂地先外築堤護岸設計業務」
を発注し、この中で
若宮戸地区の築堤について再び検討しています。

ここで注目すべきは、
鬼怒川の河川側のソーラー事業者の移転補償の検討も行われている点
です。
なんとしてもここに堤防を造らないといけないという国交省側の強い意志を感じます。

移設補償費として、
発電所移設費、撤去費、契約変更補償費、用地補償費、造成費等全てを含め、
1億2500万円が推定されています。
(下記リンク「第4章 若宮戸地先」の28/48ページ)


国土交通省が、この若宮戸地区にどれだけ強い危機感を持っていたか
読者の皆様にも伝わったのではないでしょうか。

平成26年度に移転補償が含まれた報告書が完成した後、
具体的に移転の話が進んでいたのかどうかは不明ですが、
国土交通省は非常に危機感を持っていたにもかかわらず、
平成27年9月に溢水が発生してしまったということになります・・・。

国土交通省関東地方整備局下館河川事務所は、
「平成15年度の築堤詳細設計ができた段階で堤防を整備していれば、このようなことにはならなかったはずだ」
と、無念に感じているのではないかと
開示文書を見て、感じている
次第です。

国がもっと積極的に、早く、情報開示して下さっていれば、
もっと早くにこのような気持ちになっていただろうにと、悔やまれます。


1月20日のブログ「残念 住民側の反省も必要」では
住民側の反省も大いに必要だということを書きました。

1月22日のブログ「誇りと自信」では
行政側も住民を恐れずに、住民説明会の範囲を拡大して実施して頂きたいということを書きました。
地元ばかりでなく影響を受ける範囲にまで住民説明会の対象を拡げることにより、
行政側の考えを支持してくれる住民を増やし、世論を味方に付けて必要な公共工事を進めていって頂きたいと願わずにはいられません。
そして、住民の生命、財産を守って頂きたいと心より願っています。






posted by joso at 00:20| 検証 若宮戸溢水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月20日

残念 住民側の反省も必要

嗚呼・・・、残念なことだと思いました。

1月19日に国から開示を受けた
「平成15年度若宮戸地先築堤設計業務」によれば、
平成15年10月8日から平成16年3月19日を工期として、
鬼怒川左岸24.50K〜26.00K間の1350mの「築堤詳細設計」が行われています。

この区間は、皆さんご存知の通り、
平成27年関東・東北豪雨災害で
溢水が発生した若宮戸の2箇所を含む区間です。

しかし、折角作られたこの「築堤詳細設計」は、
実際の工事には繋がりませんでした。


これが完成していれば、間違いなく溢水は起きなかったことでしょう。
非常に、非常に残念なことです。



私たちは、なぜこの工事が進まなかったのか、
その原因をしっかりと、真剣に考えないといけない
と思います。

国土交通省関東地方整備局下館河川事務所が、
ここに堤防を造らないといけないと判断したのは、
専門的な検討の結果、ここが危険だと判断されたから
です。

ここは危険なので堤防を造りますよと国が提案してくれたのに
それが実現しなかった根本原因は何なのか・・・。

私たち住民の側に反省すべき点はないのでしょうか。


あるところの、公務員の方から一通のお便りを頂きました。

「●●で◆◆川の河川改修をしています。
・・・・・・
河川って住民説明が難しい・・・・・」

と書かれていたのが非常に印象的でした。


どのようにしたら困難なものでなくなるのか・・・。
私たち住民側も真剣に考えないといけないのではないかと思います。
もちろん、これは常総市民だけの問題ではなく、
日本全国の問題です。





posted by joso at 00:25| 検証 若宮戸溢水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月02日

重要水防箇所 若宮戸溢水箇所30年の変遷

12月31日のブログで、堤防決壊した上三坂に着目して
重要水防区域の指定の変遷を見ました。
http://office-aoba01.seesaa.net/article/445392786.html

今回は若宮戸の溢水箇所(24.75K及び25.35K)に着目して
過去30年分、昭和61年度から平成27年度までの重要水防箇所の指定の変遷を見てみます。
(開示文書は下方にまとめてあります。)

年度 重要度 左右
岸別
下流側 上流側 重要なる理由 備考
種別 階級
S61 堤防高 24.63 26.00 堤防余裕高不足1/5以下 旧基準
S62 堤防高 24.63 26.00 堤防余裕高不足1/5以下
S63 堤防高 24.63 26.00 堤防余裕高不足1/5以下
H1 堤防高 24.63 26.00 堤防余裕高不足1/5以下
H2 堤防高 24.63 26.00 堤防余裕高不足1/5以下
H3 堤防高 25.23 25.37 無堤部
堤防高 24.63 24.70 無堤部
H4 堤防高 25.23 25.37 堤防余裕高1/5以下
堤防高 24.63 24.70 堤防余裕高1/5以下
H5 堤防高 25.23 25.37 堤防余裕高1/5以下
堤防高 24.63 24.70 堤防余裕高1/5以下
H6 堤防高 25.23 25.37 堤防余裕高1/5以下(無堤部)
堤防高 24.63 24.70 堤防余裕高1/5以下(無堤部)
H7 堤防高 25.23 25.37 無堤部 堤防高 B 新基準
H8 堤防断面
堤防高

25.23 25.37 堤防断面1/2未満(無堤部)
計算水位と現況堤防高の差が余裕高未満
H9 堤防断面
堤防高

25.23 25.37 堤防断面1/2未満(無堤部)
計算水位と現況堤防高の差が余裕高未満
H10 堤防断面
堤防高

25.23 25.37 堤防断面1/2未満(無堤部)
計算水位と現況堤防高の差が余裕高未満
H11 (重点)
堤防高

25.37 25.50 計算水位が現況堤防高以上(山付き部)
堤防断面
堤防高

25.23 25.37 堤防断面1/2未満(無堤部)
計算水位と現況堤防高の差が余裕高未満
(重点)
堤防高

24.63 25.23 計算水位が現況堤防高以上(山付き部)
H12 (重点)
堤防高

25.37 25.50 計算水位が現況堤防高以上(山付き部)
堤防断面
堤防高

25.23 25.37 堤防断面1/2未満(無堤部)
計算水位と現況堤防高の差が余裕高未満
(重点)
堤防高

24.63 25.23 計算水位が現況堤防高以上(山付き部)
H13 (重点)
堤防高

25.37 25.50 計算水位が現況堤防高以上(山付き部)
堤防断面
堤防高

25.23 25.37 堤防断面1/2未満(無堤部)
計算水位と現況堤防高の差が余裕高未満
(重点)
堤防高

24.63 25.23 計算水位が現況堤防高以上(山付き部)
H14 堤防断面 25.23 25.37 堤防断面1/2未満(無堤部)
H15 堤防断面 25.23 25.37 堤防断面1/2未満(無堤部)
H16 堤防高
堤防断面

25.23 25.37 計算水位が現況堤防高以上
堤防断面1/2未満(無堤部)
堤防高 25.00 25.02 計算水位が現況堤防高以上
H17 堤防高
堤防断面

25.23 25.37 計算水位が現況堤防高以上
堤防断面1/2未満(無堤部)
堤防高 25.00 25.02 計算水位が現況堤防高以上
H18 堤防高
堤防断面

25.23 25.37 計算水位が現況堤防高以上
堤防断面1/2未満(無堤部)
堤防高 25.00 25.02 計算水位が現況堤防高以上
H19 堤防高
堤防断面

25.23 25.37 計算水位が現況堤防高以上
堤防高 25.00 25.02 計算水位が現況堤防高以上
H20 堤防高
堤防断面

25.23 25.37 計算水位が現況堤防高以上
堤防断面、天端幅が1/2以上
堤防高 25.00 25.02 計算水位が現況堤防高以上
H21 堤防高
堤防断面

25.23 25.37 計算水位が現況堤防高以上
堤防断面、天端幅が1/2以上
堤防高 25.00 25.02 計算水位が現況堤防高以上
H22 堤防高
堤防断面

25.23 25.37 計算水位が現況堤防高以上
堤防断面、天端幅が1/2以上
堤防高 25.00 25.02 計算水位が現況堤防高以上
H23 堤防高
堤防断面

25.23 25.37 計算水位が現況堤防高以上
堤防断面、天端幅が1/2以上
堤防高 25.00 25.02 計算水位が現況堤防高以上
H24 堤防高
堤防断面

25.23 25.37 計算水位が現況堤防高以上
堤防断面、天端幅が1/2未満
堤防高 25.00 25.02 計算水位が現況堤防高以上
H25 堤防断面
漏水

25.23 25.37 堤防断面、天端幅が1/2未満
計算水位と現況堤防高の差が余裕高未満
堤防高 25.00 25.02 計算水位と現況堤防高の差が余裕高未満
H26 堤防断面
堤防高

25.22 25.40 堤防断面、天端幅が1/2未満
計算水位が現況堤防高以上
堤防高 25.00 25.02 計算水位と現況堤防高の差が余裕高未満
H27 (重点)
堤防断面
堤防高
危険水位



25.22 25.40 堤防断面、天端幅が1/2未満
計算水位が現況堤防高以上
氾濫危険水位における一部区間の危険箇所(川島観測所)
堤防高 24.73 25.22 計算水位と現況堤防高の差が余裕高未満

「重点」区域の表示は平成11年度に初めて表れ、
平成13年度まで続きました。
その後、「重点」区域の指定はなくなりましたが、
水害が発生した平成27年度に「重点」区域に再指定されています。
(「平成27年度」ですので、水害を受ける前の平成27年4月に「重点」区域に指定されたということになります。)

これらの結果を皆さんはどのように思われますか?
また、重要水防箇所に指定されていたということをどのように思われますか?





直轄河川重要水防箇所一覧表(鬼怒川、常総市)
(下記の青字のリンクをクリックすると、PDFファイルが開きます。)

重要水防箇所評定基準(案)(昭和61年度から平成6年度まで)


重要水防箇所評定基準(案)(平成7年度〜)






posted by joso at 00:35| 検証 若宮戸溢水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月21日

若宮戸 計画高水位Y.P.22m連続しては確保されず

10月13日のブログで、
国交省は、若宮戸の自然堤防の最も低い地盤高が計画高水位以下ということを知りながら放置していたのであり、これは重大な瑕疵であると記しました。
http://office-aoba01.seesaa.net/article/442755356.html

11月19日のブログでは、
若宮戸の上流側溢水地点の詳細な平面図をご紹介し、大型土のうを設置した場所以外にも計画高水位以下の場所があり、元々計画高水位以下の河川水を、安全に下流に流すことができない場所だったことを示した。
http://office-aoba01.seesaa.net/article/444112513.html

これらを追認する資料ということで、
若宮戸の溢水現場周辺の平面図と、
当地区の計画高水位計画堤防高等をまとめた諸元表をご紹介します。

まず、国交省が開示した若宮戸の溢水現場周辺の平面図(標高:Y.P.表示)は次の通りです。
(標高データは非常に細かい字なので、PDFファイルを拡大して御確認下さい。)
http://kinugawa-suigai.up.seesaa.net/pdf/wakamiyado-heimenzu.pdf

若宮戸(上流)平面図
若宮戸(上流側)平面図(標高:Y.P.m)
若宮戸(下流)平面図
若宮戸(下流側)平面図(標高:Y.P.m)


下記リンクは、水害前の若宮戸地区の諸元表で、24.25k〜26.25kまでの計画高水位や計画堤防高がまとめられています(いずれもY.P.m)。
http://kinugawa-suigai.up.seesaa.net/pdf/wakamiyado-shogen.pdf

溢水が発生した24.75K、25.35Kは上記リンクより、
計画高水位はY.P.22.2m〜22.3m程度です。

では、上の2枚の平面図で標高Y.P.22mの等高線を皆さん赤ペンでなぞってみて下さい。


いかがでしょうか。
河川管理者が若宮戸地区の河川管理をきちんと行っていたかどうか、
これで一目瞭然ですね。
(明らかにY.P.22mとわかるラインを赤表示。)

若宮戸平面図 22m等高線赤入れ
若宮戸(上流側)平面図 Y.P.22m赤線
若宮戸平面図(下流) 22m等高線赤入れ
若宮戸(下流側)平面図 Y.P.22m赤線




追伸、若宮戸地区の諸元表で、例えばL24.50kからL24.75kまでの距離は250mですが、
諸元表の追加距離の欄を見るとこの間の距離は226.000mとなっています。
なぜこのような違いが出るのか、皆さんご存知でしょうか。

河川の場合、河心線(川の流れの中心を結んだ線)で距離を求めます。
堤防にある「距離標」は、河心線の接線に対して直角方向に延ばした線と堤防との交わる点となります。
まっすぐに流れている河川であれば、左岸と右岸の距離標の間隔(距離)は同じになりますが、
蛇行している河川では左岸と右岸で距離標の間隔(距離)に違いが出てきます。

言葉で説明してもわかりにくいと思いますので、
「測量士・測量士補試験対策WEB」に出ている解説図を引用させて頂きます。
この図を見るとよくわかると思います。
https://goo.gl/1cgjxd

河川の距離標の配置説明図






posted by joso at 00:25| 検証 若宮戸溢水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月19日

若宮戸 詳細な平面図

平成27年関東・東北豪雨災害が発生する1年2か月前に
若宮戸のソーラーパネル周辺に794個の大型土のうが設置されました。

設置箇所の平面図位置図
「平成26年度 H26・27鎌庭管内維持管理工事完成図」(平成28年3月)
に出ていますので、ご紹介いたします。
http://kinugawa-suigai.up.seesaa.net/pdf/wakamiyado-kanseizu.PDF

H26・27鎌庭管内維持管理工事完成図 仮堤防平面図
平面図(標高はY.P.m)
H26・27鎌庭管内維持管理工事完成図 仮堤防位置図
仮堤防位置図


この平面図は、私が今まで見た中で一番細かく標高が表示されている図面のように思います。
検証される方はどうぞこの平面図を元に検証なさって下さい。

ところで、この平面図に記載されている標高を手がかりに、
水位が上昇してきた頃の水の流れがおおよそ想像できます。

若宮戸 仮堤防 解説図


普通、堤防は直線になるように造るものですが、
仮堤防とは言え、あまりにいびつすぎるように思います。
このいびつさが乱流を起こし、
大型土のうの積まれた下側の地盤を侵食し、
大型土のうを崩し、溢水が発生したのではないか
と考えられますね。
大型土のうの高さまで洪水に耐えたのではないことは周知の通り

大型土のうが崩れる前にも、標高の低い箇所を通って、
例えば上図の右側の水の流れのように、
早い段階から住宅側へと水が流れ込んできていたものと思われますね。


ところで、25.25Kの計画高水位はY.P.22.350mです。
Y.P.22.350mなのに、Y.P.20mの低い箇所は
人家がそばにあるのに何ら対策せずに放置
・・・。

痕跡水位は25.25KでY.P.22.0mと発表されていますが、
計画高水位以下です。
http://office-aoba01.seesaa.net/article/442755356.html

計画高水位以下の洪水を安全に下流に流すことができない河川であったことは非常に問題だと思います。

河川管理者は、計画高水位以下の水を安全に流せるように管理していないといけなかったはずですよね・・・。




posted by joso at 00:25| 検証 若宮戸溢水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
ケアプロスト
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。