2016年11月18日

会計検査院 若宮戸の大型土のう(水害前)の検査必要

若宮戸の大型土のう設置に関する経緯を11月16日のブログにまとめました。
http://office-aoba01.seesaa.net/article/443992023.html

大型土のうがどのように積まれていったのかを、
具体的に画像で見ておくことは重要だと思いますので、
国交省から開示された文書を公開いたします。
画像の他にPDFファイルも用意しましたので、
PDFを見ることができる方はどうぞご覧下さい。
なお、PDFファイルの方には画像以外の文書も出ています。
 

今回は、水害前にソーラーパネル周辺にどのように大型土のうが据え付けられていったのかを把握して頂ければOKです。

以上の写真を見ながら、1点疑問が湧きました。

平成26年6月13日に、水管橋そばに既に仮置きされていた大型土のうがありました。
奥方向に何個あるのか明確にはわかりませんが、下段が10個、上段が9個で、上段は奥方向に最低でも2個ありそうです。
そうなると下段は奥方向3個はないといけません。
また写真右側4個は前側に出ているようですので、以上まとめると
10×3+9×2+4=52個
は仮置きされていたように見えます(あくまで見えるだけですが)。

この約52個は、合計794個の大型土のう製作の中にカウントされているのでしょうか?

大型土のう製作費は、1個8,503円です。
52個で44万2156円になります。
一般市民からすると44万円は大きな金額です。

土のう製作は、794個の大形橋ストックヤードで行われました。
一方、水管橋そばに仮置きされていた大型土のうは6月13日の工事打合簿によると、ソーラーパネル工事箇所のそばの仮置き場に運搬することになっています。
場所が違うので、立会の写真の中には入っていないと考えられます。

どうも、この水管橋そばに仮置きされていた大型土のう約52個の行方が・・・よくわかりません・・・。

「平成26年度 H26・27鎌庭管内維持管理工事完成図」(平成28年3月)
によれば、大型土のうは794個製作して、積込・運搬も794個となっています。

なんか変だなあ・・・。

やっぱり会計検査院による検査が必要だと思います。





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2016年11月16日

若宮戸 大型土のう設置経緯

今回は若宮戸の大型土のう設置に関する経緯についてまとめておきます。
「平成27年9月関東・東北豪雨」及び「鬼怒川緊急対策プロジェクト」について
(平成28年9月1日、国土交通省関東地方整備局下館河川事務所)
の36/81ページによれば、溢水箇所(左岸25.35k付近)の主な経緯は次の通りと紹介されています。

若宮戸 大型土のう設置経緯

この表に国交省が情報開示した文書で明らかになった事実を書き加えておきます。
(上表掲載事項:水色で塗りつぶした箇所)
 

日 付 主 な 経 緯
H26.3.12 地区住民から、「通称十一面山でソーラーパネルの基礎工事で掘削している。この行為は堤防を切っていることと同じ。国土交通省で止めるよう動いて欲しい。」との要望。
河川管理者は河川区域内の行為しか制限できない旨回答。
 
H26.3.19 地区住民から「堤防の代わりになっていた砂をとってしまうと、堤防が無くなるのと同じ。規制できないなら国土交通省で、堤防を造って欲しい。」との電話。
 
H26.3.28 地区住民からの要望を受けた常総市の職員が鎌庭出張所に来所。
「出水時に心配なのでなんとかして欲しい。」と要望。
河川区域外のため法的指導はできないが、出水時の対応については検討する旨回答。
 
(この間、常総市と本件の対応を協議)
  • 河川法以外の関係法令等で市が対応できないか。
  • 洪水対応のためにできることはないか。
  • 対応は、下館河川事務所と常総市が連携を図りながら行う。
H26.3 (日付不詳)
H26・H27鎌庭管内維持管理工事
(当初:平成26年4月1日〜平成28年3月31日、731日間)
 
H26.4.1 H26・H27鎌庭管内維持管理工事契約
契約金額2億3036万4000円
 
H26.4.10 下館河川事務所と常総市で事業者Bに面会し「地盤高を下げると洪水時に浸水する恐れがあるので、現地盤の高さで残すことができないか。」と強く申し入れるも合意に至らず。
 
H26.5.1 事業者Bの敷地内への大型土のう設置の可否を打診、ソーラーパネルの前面への設置について了承を得る。
 
H26.5.27 先行指示
「平成26年度 H26・27鎌庭管内維持管理工事(第2回先行指示)特記仕様書」(平成26年5月、国土交通省 下館河川事務所)
「第4編 河川編」の「第1章 築堤・護岸」
第5条(大型土のう製作)
第6条(積み込み・運搬)
第7条(据付)→2段積み、延長344m、1032個(予定)
 
H26.6.2 耐候性大型土のうの承認願い提出
 
H26.6.13 維持修繕工(大型土のう設置)について
左岸25.25K+80m付近に設置すること等を、特記仕様書第40条に基づき指示する。
 
H26.6.18 仮堤防工 大型土のう製作個数確認1〜420個(大型橋ストックヤード)
 
H26.6.20 仮堤防工 大型土のう製作個数確認421〜700個(大型橋ストックヤード)
 
H26.6.23 仮堤防工 大型土のう製作個数確認701〜780個(大型橋ストックヤード)
 
H26.6.24 仮堤防工 大型土のう製作個数確認781〜794個(大型橋ストックヤード)
 
H26.7.3 大型土のう設置完了。 →作業報告書提出
 
H27.1.19 工事請負変更契約(第1回変更)
H26・H27鎌庭管内維持管理工事(第1回変更)
・大型土のう製作(794袋、675万1382円)
・大型土のう 積込・運搬(794袋、160万704円)

  
H27.1 (日付不詳)
「平成26年度 H26・27鎌庭管内維持管理工事(第1回変更)特記仕様書」(平成27年1月、国土交通省 下館河川事務所)の「第2章 築堤・護岸」の第16条に大型土のうの製作、第17条に大型土のうの積み込み・設置箇所までの運搬について規定。
大型土のう製作数:794袋(増減が生じた場合は設計変更の対象)
 
H27.3.31 引渡部分完成通知書(引渡部分に対する請負代金額1億3856万4000円)
 
H27.3.31 工事検査 既済部分検査(第1回)(大型土のうの施工含む)
 
H28.3 「平成26年度 H26・27鎌庭管内維持管理工事 完成図」(計画機関 国土交通省下館河川事務所)
 


こうしてまとめてきて疑問なのは、
平成26年7月3日に大型土のうの設置は完了しています。
ところが、平成27年1月19日に大型土のう工事を含む工事の変更契約をしています。
平成26年5月27日に大型土のう設置を含む先行指示を出しているので、
変更契約がずっと後になっても構わないというものなのでしょうか。

全く別の公共工事について聞いた話では、
変更契約書は変更が生じる度に作成するものだと聞いています。
ですので、ちょっとした工事でも、
変更契約書だけで分厚いファイルになってしまうと聞いています。

とすると、工事に取りかかる前の
遅くとも平成26年6月の初旬頃には、
変更契約を締結しないといけない
と思うのですが、
会計検査院はこの件はどのように判断しているのでしょうか。


あと、単なる書き損じだとは思いますが、
平成28年3月の「平成26年度 H26・27鎌庭管内維持管理工事 完成図」(計画機関 国土交通省下館河川事務所)には、
「大型土のう3段積み」と書かれています。
ただ、図面上は、下段が2個、上段が1個の2段積みの絵になっていますので、単なる書き損じなのでしょう。





posted by joso at 00:35| 検証 若宮戸溢水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月06日

若宮戸の水管橋そばの溢水は市道「東0280」により自然堤防が切り開かれ低くなった箇所を通って堤内地に浸入した!!この道路は70年あまり前には存在しており河川管理者の国交省が何ら対策を施さずに来たのは明らかに瑕疵である!!

若宮戸の水管橋そばの市道「東0280」に、
なぜこだわっているかといいますと、
次の図面をご覧下さい。
https://kinugawa-suigai.up.seesaa.net/pdf/suikankyo-chikei01.pdf

若宮戸の水管橋付近 市道「東0280」周辺の地形1
図−1


わかりやすく標高20m(T.P.)ラインを赤色にしてみました。
皆さんこの図−1を見て何かお気づきになりませんか?

図−1の「A」と「B」の20m以上の自然堤防を切り開いて
市道「東0280」が走っています。
「A」と「B」は元々地続きでしたが、この道路を通したために
「A」と「B」は分断されてしまい、道路の部分が低くなってしまいました。

ここからが重要なポイントです。
下の図は国土交通省関東地方整備局下館河川事務所が公開している
「平成27年9月関東・東北豪雨」及び「鬼怒川緊急対策プロジェクト」について(平成28年9月1日)
に掲載(33/81ページ)されている図です。

若宮戸の溢水
図−2


この図−2に図−1の「A」と「B」を加えてみると、図−3となります。

若宮戸の溢水
図−3


そして、図−1に溢水したDの流れを入れてみると・・・
図−4となります。
ドンピシャです。
https://kinugawa-suigai.up.seesaa.net/pdf/suikankyo-chikei02.pdf

若宮戸の水管橋付近 市道「東0280」周辺の地形2
図−4


市道「東0280」で切り開かれて低くなった箇所を通って、
堤内地側に溢水したことがこれで一目瞭然です。


この市道「東0280」が溢水に影響したことは間違いないでしょう。

常総市の建設課の説明では、この市道「東0280」
昭和61年に石下町により町道認定を受け、
合併後、常総市により市道認定を受けていますが、
市道整備工事は一切されていない
ということです。

一方、航空写真によれば昭和22年以前から
この「東0280」に該当する箇所に道路は存在
しており、
石下町や常総市に責任があるというのはかなり厳しい感じがします。


では、被害者は泣き寝入りするしかないのでしょうか?

私は、そうは思いません。

このように切り開かれ、地盤が低くなっていることを
河川管理者の国交省が知らなかったわけがありません。


遅くとも昭和22年にはこの道路ができ、自然堤防が切り開かれています。

昭和22年(1947年)から約70年も経過しているのです。
この間、国交省が全くこの道路に気が付かなかったということはあり得ません。



従って、水管橋そばの溢水も、
国交省の瑕疵により引き起こされた「人災」である
と考えます。





posted by joso at 00:25| 検証 若宮戸溢水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月05日

若宮戸の水管橋付近の市道「東0280」号は昭和61年に石下町により町道認定を受け合併後に市道認定を受け、市道整備工事は行われていない。昭和22年には航空写真により既に道路が確認されている。

【お詫びと訂正】
市道「東0280」の位置が誤っている
とのご指摘を受けました。
確認しましたところ、東0280を赤線で表示した図に誤りがありましたので、訂正させて頂きます。
ご指摘に感謝するとともに、心よりお詫び申し上げます。
今後、このような誤りがないよう細心の注意を払い記事を作成致しますので、どうぞお許し下さい。

なお、細心の注意を払っていても、間違いは発生してしまいます。
誤りを見つけられた場合、遠慮なくご指摘下さいますよう心よりお願い申し上げます。
皆様のお力もお借りしながら、誤りのより少ないブログに仕上げていければと願っております。


若宮戸の水管橋付近の市道の件を調査していたのですが、
その結果が明らかになりましたので、ご報告いたします。

水管橋そばの市道で、
自然堤防を掘削したと考えられる市道とは、
下の地図の「東0280」という市道になります。
https://kinugawa-suigai.up.seesaa.net/pdf/wakamiyado-E0280.pdf

若宮戸水管橋付近の市道


常総市役所都市建設部建設課
この市道「東0280」について調べて下さり、
昭和61年に石下町により町道認定を受け、
合併後は常総市の市道となった
ということをご教示下さいました。

また、市道整備工事はしていないため、
造られたままの状態だということでした。

そして、この「東0280」は昭和22年には既に航空写真で確認されるため、かなり以前から造られていたものだろうということでした。
下の写真は国土地理院が公開している昭和22年の当該地の航空写真です。
この航空写真を拡大し、当該道路の位置を示したものもアップしておきます。
(↑この部分に誤りがありましたので、写真を差し替えさせて頂きます)

昭和22年 若宮戸周辺の航空写真(画像クリックで拡大します)
若宮戸 航空写真 昭和22年(国土地理院)
東0280付近の拡大図
若宮戸の水管橋付近 市道 東0280(表示なし)
東0280を赤線で表示
若宮戸の水管橋付近 市道 東0280(表示あり)



こうなると、水管橋付近の溢水については、
溢水根拠を検証し直さないといけないなと感じています。






posted by joso at 00:30| 検証 若宮戸溢水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月18日

水害前の鬼怒川の堤防高:若宮戸の水管橋付近は右岸の堤防高の方が83cmも低いにもかかわらず、なぜか高い方から溢水が発生していた。これはどういうことなのか???

鬼怒川の堤防高の記事を書きましたので、
水害前の常総市内の現況堤防高(実際の堤防高)について
書いておこうと思います。
堤防は川の下流方向を見て左側が左岸、右側が右岸となります。
左岸と右岸でどちらの堤防が高いのか、低いのかを知っておくことは重要なことです。

国交省が開示した計画高水位や現況堤防高が掲載された一覧表から、
https://kinugawa-suigai.up.seesaa.net/pdf/kinugawa-teibo-data.pdf
計画高水位、現況堤防高(左岸、右岸)の関係を見た図が下図となります。
参考に距離標の表示された平面図も掲載しておきます。


上三坂の堤防決壊箇所は右岸に比べ左岸が低くなっており、しかも計画高水位とほとんど変わらない堤防高であったことがこの図からわかります。
(詳細は下記リンク参照↓)
http://office-aoba01.seesaa.net/article/442727198.html

若宮戸の水管橋付近の溢水現場は、国交省のデータによれば、右岸の方が左岸より83cmも堤防高が低いとされます。
83cmも堤防高が高い左岸側からなぜ溢水が発生したのでしょうか。
普通に考えれば堤防高の低い右岸から水があふれるはずです。
やはりこれは、若宮戸地区で言われている市道の影響なのかもしれません。

その上流のソーラーパネル建設で自然堤防を掘削した箇所についても、この掘削がなければ右岸の方が左岸よりも堤防高が低く、果たして溢水が起きていたかどうかわからない感じです。

なお、国交省が開示したデータは250mピッチで測量したものであり、
その間の堤防高は不明
です。
この間に堤防高が低い場所があればそこから水があふれることにもなります。


全体的に見ると
水海道大橋(有料橋)より下流側は、
豊水橋の北側、新八間堀川との合流直下を除いて、
概ね左岸が高くなり、市中心部を守るように堤防が造られていた
ことがわかります。

水海道大橋より上流側は、左岸が低くなったり、右岸が低くなったりしており、一定していません。

今後、鬼怒川緊急対策プロジェクトで堤防が改修されていきますが、
市民の皆さんは、改修された堤防の堤防高についても、
是非、注目していって頂きたいと願います。





posted by joso at 00:25| 検証 若宮戸溢水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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