2017年01月26日

篠山救急排水施設操作要領第3条違反

昨日、篠山救急排水施設について書きましたが、
実は、国土交通省関東地方整備局が開示した文書
ムムッとうなりたくなる箇所を見つけてしまいました。

ここで重要な文書は次の3つです。

  1. 篠山水門 操作要領
    https://goo.gl/K0JyOI
     
  2. 篠山救急排水施設 操作要領
    https://goo.gl/QABqQ7
     
  3. 篠山救急排水施設 運転日報
    https://goo.gl/UWTodJ
     


まず、篠山水門の操作要領第3条を見ると、次の通り記されています。

篠山水門 操作要領 第3条

この操作要領と運転日報を比較すると、
きちんと操作要領通りに運転がなされていますので問題はありません。
(堤防決壊後の水門操作は、操作要領第5条に基づくものであると推測されます。)

次に篠山救急排水施設の操作要領第3条を見てみましょう。
条項をじっくり読んでいくと大変だと思いますので、
とりあえず赤線部分だけざっと目を通してみてください。

篠山救急排水施設 操作要領 第3条

この操作要領第3条の内容を、運転日報と比較して見てみましょう。
ここでは、堤防決壊が発生した2015年9月10日に着目します。

sinoyama99-unten01.jpg

第3条第1号で、水門が全閉している場合、
川裏水位(将門川の水位)が2.30m以上となったとき、
ポンプの運転を開始
することとされていますが、
この規定通りに運転は開始されています。

ここで、操作要領の「川裏水位(将門川の水位)」は、
運転日報では「内水位」と表記されています。
同じく、操作要領の「川表水位(鬼怒川の水位)」は、
運転日報では「外水位」と表記されていますので、注意が必要です。


次に第3条第4号を見てみます。
ポンプ運転中に川表水位(鬼怒川の水位)が7.381mを越え、
更に上昇する恐れがあるときは、ポンプの運転を停止する
ものとする
とされています。

「川表水位(鬼怒川の水位)」(運転日報の「外水位」)が7.381mを越えたのは
9月10日9時です。
その後も10時、11時と、鬼怒川の水位はどんどん上昇しています。

明らかに操作要領第3条違反の運転です。


なお、操作要領第5条を見ると次の通り定められています。

篠山救急排水施設 操作要領 第5条

つまり、第3条違反の運転があったと被災者が主張しても、
この第5条により、
やむを得ない事情があり、必要の限度において別の方法で操作をした
と国は主張することができてしまうのです。


抜かりがないとはこういうことをいうのでしょう。

被災者側からすると非常に悔しいことだと思いますが、
操作要領でこのように規定されていたら・・・。


しかし、です。あきらめるのはまだ早いです。

操作要領第7条にすばらしい規定を国は置いていました。

篠山救急排水施設 操作要領 第7条

操作要領第5条に該当するときは、「操作の理由」を記録しておくものとすると。

操作要領第7条に基づいて作成された書類が、「運転日報」です。
https://goo.gl/UWTodJ

この運転日報のどこを見ても、
「操作の理由」は記されていません。


さて、国土交通省関東地方整備局は
開示する文書に漏れがあったとして
追加で文書を開示してくるのでしょうか?



昨日のブログにも書きましたが、ここはとても重要なポイントだと思います。

 
国土交通省関東地方整備局下館河川事務所の報告書(P26/81)によれば、
上三坂の堤防の越水開始は、9月10日11時頃です。
 
12時04分には堤防が削られ、濁流が人家に押し寄せていました。
 
操作要領に従えば、9時には篠山救急排水施設からの排水を止めていなければならなかったのですが、
12時35分まで、せっせと鬼怒川に向けて排水をしていました。
双眼鏡で見れば対岸で越水が発生していたことはわかったはずですが・・・。
 
報告書の写真(P26/81)を見ると、
9月10日11時11分に越水状況の写真が撮影されています。
仮に越水が起きていたことを11時11分まで知らなかったとしても、
遅くとも11時11分頃には、国は上三坂の堤防から越水が起きていることを把握していたことになります。
にもかかわらず、対岸から鬼怒川へ向けて、
12時35分まで毎秒2立方メートル(1立方メートルが2本)の水を排水し続けたことになります。
 
これはあまりにひどすぎるのではないでしょうか。
 
被災された上三坂地区の皆さん、どう思われますか???
 
決壊は、篠山救急排水施設からの排水作業をやめた約15分後の12時50分頃に発生しました。
 

 






posted by joso at 00:20| 検証 上三坂堤防決壊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月25日

篠山救急排水施設 対岸で越水してるのに排水続行

上三坂の堤防決壊について、
どうも引っかかっているものがあります。

それは「篠山救急排水施設」の存在です。
破堤箇所の対岸に「篠山救急排水施設」が存在します。

国交省が開示した文書により
堤防決壊する直前の2015年9月10日12時35分まで
篠山救急排水施設から排水が行われていた

ことが明らかとなりました。

国土交通省関東地方整備局下館河川事務所の報告書(P26/81)によれば、
上三坂の堤防の越水開始は、9月10日午前11時頃です。
12時04分には堤防が削られ、濁流が人家に押し寄せていました。
そのような中でも、
12時35分まで、対岸からせっせと鬼怒川に向けて排水をしていた
のを、皆さんはどう思われますか???
決壊は、排水作業をやめた約15分後の12時50分頃です。



何度も弊ブログに書いてきていますが、
堤防決壊した区間は鬼怒川左岸20.8Kから21.0Kの区間で、
この区間は重要水防区域の「重点」箇所に指定され、
堤防高が「A」
に指定されていました。
これは、「計算水位が現況堤防高以上」の場所であるとされ、
現況の堤防の高さが、本来なければならない高さよりも低いということを意味していました。
この指定を行ったのは「国土交通省」です。


篠山救急排水施設は、
鬼怒川の水位が上昇して将門川に逆流しそうになったとき、
篠山水門を閉鎖して、
将門川の河川水を鬼怒川の方に排水するための施設で、
排水機場の小さい版と考えて頂ければわかりやすいと思います。

この篠山救急排水施設を空中写真で見たものが下図です。

篠山救急排水施設 放流水の流れ

空中写真で見ると、
篠山救急排水施設と破堤箇所の位置関係がよくわかります。

篠山救急排水施設から排水された水は、
勢いよく上図の@の方向に排水されます(堤防に対して直角方向)。
しかし、鬼怒川の流れの影響を受け、
恐らく上図のAのような方向へと向きを変えていくことでしょう。

平成27年関東・東北豪雨災害のような鬼怒川の流量の場合、
勢いよく放水されても、その水の塊がずっと対岸まで到達することは考えられず、
あっという間に下流方向に流れを変えることでしょう。

問題があるとすると、
篠山救急排水施設から放水された水による「波の伝播」です。
河川水はできるだけ大波・小波を作らずに下流に流すのが理想ですが、
横方向から排水による力が加わることにより、
不規則な波が発生することは避けられません。

模式図で示すと下図のような感じです。
(かえってわかりづらい場合には申し訳ございません。頭の中でイメージなさって下さい。)

篠山救急排水施設 放流水の伝播

大きい波は、低い堤防を乗り越えてしまいます。
堤防は、越水に弱い構造となっています。
波の影響で堤防を乗り越える水の量が増し、
破堤の1つの原因になっていたとしたら・・・。


ただ、この地点の川幅はざっと350mはありますし、
篠山救急排水施設から排水される水は1秒間に1立方メートルです。

1秒間に1立方メートルの排水がどのような影響を及ぼすのか、
又は及ぼさないのか。

鬼怒川本流の流れに比べれば、1秒間に1立方メートルの排水は、
ごくわずかなものだということになってしまうのでしょうか?

できれば、弊ブログを熱心にお読み下さっている大学の皆様、
特に土木系の研究室の方でお読み下さっている方に、
是非、シミュレーションをして頂ければと心より願っております。
(開示を受けたデータは後日、公開致します)

何卒宜しくお願い申し上げます。





posted by joso at 00:20| 検証 上三坂堤防決壊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月25日

河川測量図 誤り?篠山排水樋管は存在しない

全く嫌になってしまいます。何でこんななのでしょう。

皆さんは、「篠山排水樋管」という樋管をご存知でしょうか?

下記リンクは国交省が開示した鬼怒川平面図ですが、
この10ページ目の鬼怒川右岸、将門川が鬼怒川に合流するすぐそば、
篠山水門のすぐそばに明確に「篠山排水樋管」と記されています。
http://kinugawa-suigai.up.seesaa.net/pdf/kinugawa-heimenzu1.pdf


平成27年関東・東北豪雨災害時の篠山排水樋管の操作状況を知りたく、
調査を進めてきていたのですが、先日国から電話連絡があり、
「篠山排水樋管はありません。」
と言われてしまいました。
「国が管理している樋管を、我々が把握していないわけはなく、ないものはありません。」
とまで言われてしまいました。

自信満々に答えられてしまいましたので、その場は引き下がり、
上記リンクの鬼怒川平面図を再確認したところ、
やはり「篠山排水樋管」と書かれていますので、
今度はこちらから電話をして確認をとりました。

国も「篠山排水樋管」と書かれていることを認めましたが、
再度確認するとして電話が切られ、
しばらくたってから国から電話がかかってきました。

「篠山排水樋管はありません。それは篠山救急排水施設です。篠山救急排水施設は2つの排水パイプが堤防をまたいでおり、堤防の中を貫通する樋管とはなっていません。」

えっ、そうなんですか???
それっておかしくありませんか???
鬼怒川平面図は、測量して作成した図面です。
それが間違っていたなんてことあるんでしょうか???
特に河川施設の名称を間違えることってあるんでしょうか???

篠山排水樋管の位置は、上三坂の堤防決壊地点のまさに対岸です。

なんか、おかしい・・・。

追加で、12月24日に国に対して情報公開請求を行ってみました。




posted by joso at 00:20| 検証 上三坂堤防決壊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月15日

既往最高水位 7.4mをなぜ7.3mとした

昨日のブログで、
鬼怒川水海道水位観測所の計画高水位が、
実は既往最高水位よりも低く設定されていた

ということを証拠と共に示しました。


ところで、先日、ある会議に出席したところ、
「常総市遊水地計画が実はあったのではないか」
ということが、話題に上りました。

私は、さすがにそのような計画はあり得ないと主張しました。
そのような計画があったという証拠はどこにあるのか、
あるのであればそれを見せて頂きたいと主張しました。


この会議では、国側を擁護するような主張をしたわけですが、
既往最高水位よりも計画高水位の方が低く設定されていたという事実に触れるや、
急激に心が揺れ始めています。。。


もしかして・・・鬼怒川水海道の水位観測所の計画高水位が既往最高水位以上に設定されていなかったのは、この常総市で水をあふれさせるためだったのではないか。

下流域を浸水から守るために、常総市が元々犠牲になる計画になっていたのではないか。

等々の考えが頭を離れなくなってしまっています。


国交省が開示した「鬼怒川 水位及び水位流量観測所一覧表」によると、
鬼怒川水海道水位観測所の計画高水位は、
昭和24年2月に7.33mに変更されています。
http://kinugawa-suigai.up.seesaa.net/pdf/KR-suiikansokujo-1ran.pdf
これは明らかに昭和22年9月のカスリーン台風の被害を受けての変更でしょう。

この変更前の計画高水位は、国交省が開示した
「昭和22年9月洪水報告書」表5「昭和22年9月最高水位一覧表」
によれば、6.55mでした。
http://kinugawa-suigai.up.seesaa.net/pdf/S2209kasurin-max-suii.pdf

ここに7.40mの最高水位の洪水が襲ったので、
昭和24年2月に計画高水位を7.33mに変更した・・・。
計画高水位をわざわざ変更したのに、
あえて最高水位よりも低い値を計画高水位に設定する意味が不明
です。

平成27年関東・東北豪雨災害後の国交省の報告書には
鬼怒川水海道の既往の最高水位は7.30mと出ているものが大部分です(全部は調べ切れておらず、また見落としがあるかもしれませんので、大部分としました)。

これは、計画高水位の方が既往最高水位よりも高く設定してあるということを猛烈にアピールし、国に落ち度は無いということを言いたかったからなのではないでしょうか???



どうなのでしょうか???
国交省に真実を教えて頂きたいものです。。。





posted by joso at 00:30| 検証 上三坂堤防決壊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月14日

計画高水位 既往最高水位より低く設定(鬼怒川水海道)

どのように考えれば良いのでしょう。


鬼怒川水海道水位観測所の計画高水位は、
国交省が開示した「鬼怒川 水位及び水位流量観測所一覧表」によると、
昭和24年2月に7.33mに変更され、
平成28年3月31日現在、この7.33mのままと出ています。
http://kinugawa-suigai.up.seesaa.net/pdf/KR-suiikansokujo-1ran.pdf

一方、同じく国交省が開示した
「昭和22年9月洪水報告書」表5によると、
(昭和22年9月洪水はカスリーン台風時の洪水)
鬼怒川水海道水位観測所の最高水位は、
昭和22年9月16日5時30分に7.40mを記録したと出ています。
http://kinugawa-suigai.up.seesaa.net/pdf/S2209kasurin-max-suii.pdf

上の2つのリンクを見比べて頂きたいのですが、
零点高は両者とも同じ9.914mで、同じ場所のデータです。
つまり、

 
既往の最高水位よりも7cm低い値が、
 
現在、計画高水位に設定されている。

 

ということになります。

たかが7cmじゃないかと思われるかもしれませんが、
7.30mが既往最高水位だとして、計画高水位をそれより3cm高くした決定方法に従えば、
既往最高水位が7.40mだとすると、計画高水位は7.43mとなります。
7.33mが7.43mになるのですから
10cm計画高水位が現状よりも高くなります。


10cmの計画高水位の違いは、上流側にも影響しますので、
例えば、上三坂の堤防決壊地点の計画高水位も10cm位高くなり、
実際の堤防高もそれに比例して10cm位高かったはずです。

もしも上三坂の堤防が10cm高かったとしたら、
堤防決壊は免れたかもしれないのです。


上三坂の堤防決壊時の越流水深(堤防を乗り越えた氾濫水の水深)は、
鬼怒川堤防調査委員会報告書(平成28年3月)によれば
約20cmとなっています。
https://goo.gl/fx9Wbo (23/80ページ)

10cm堤防が高かったとしたら、越流水深は
20cm−10cm=10cm

となります。

越流水深の深度が小さければ流れの勢いも小さくなり、
破壊力(堤防裏法面の浸食力)も当然小さくなります。


既往最高水位と計画高水位の差はわずか7cmですが、大きな7cmです。

 
どうして国は、カスリーン台風で
7.40mの水位を記録していたにもかかわらず、
昭和24年2月に
計画高水位を7.33mに変更したのでしょうか。

 


ここはとっても重要な、重大な疑問点です。





posted by joso at 00:25| 検証 上三坂堤防決壊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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