2016年11月11日

八間堀川排水機場 操作規則通りに運転されず

今回は八間堀川排水機場の話題。

新八間堀川と鬼怒川の合流地点に八間堀川排水機場があります。

国土交通省水管理・国土保全局河川環境課によれば、
この八間堀川排水機場の運転操作は
「操作規則 第2章 第3条 八」
により次の通り規定されているということです。
http://kinugawa-suigai.up.seesaa.net/pdf/8ken-kijo-sousakisoku.pdf

 
所長は、機場のポンプを運転している場合において、鬼怒川水位が9.36メートルを超え、さらに上昇するおそれのあるときは、機場のポンプの運転を停止すること。
 
※鬼怒川水位9.36mは、Y.P.基準の標高に換算するとY.P.17.36mに相当する。
 


では、平成27年関東・東北豪雨災害時の
八間堀川排水機場の運転状況と、
八間堀川排水機場水位観測所(新八間堀川側)の水位
及び鬼怒川水海道水位観測所の水位の変動を見てみましょう。

元のデータは下記リンクです。
http://office-aoba01.seesaa.net/article/443232470.html
このデータに鬼怒川水位観測所の水位データ等を加えたものが下図です。 


この図から以下のことがわかります。

  • 八間堀川排水機場は操作規則通りに操作されていなかった。
    • 鬼怒川水位が9.36m(Y.P.17.36m)を超えても、八間堀川排水機場は運転停止しなかった。
      平成27年9月10日13時頃に運転を停止したが、その時の鬼怒川の水位はY.P.17.974mに達していた。
     
  • 八間堀排水機場の運転再開があまりに遅かった。
    • 鬼怒川水位が9.36m(Y.P.17.36m)を超え、さらに上昇するおそれのあるときは、八間堀川排水機場は運転停止することになっている。
      逆に考えると、鬼怒川水位が9.36m(Y.P.17.36m)を下回り、更に下降することが予想される場合には八間堀排水機場の運転を再開できることを意味する。

      上流の上三坂で堤防が決壊しており、下流の鬼怒川水海道水位観測所の水位はどんどん下降しており、その後、上昇することは通常考えられない。

      一方、新八間堀川の水位は上流からの氾濫水の影響でどんどん上昇してきていた。


      鬼怒川水位が9.36m(Y.P.17.36m)を下回った平成27年9月10日17時には、八間堀川排水機場の運転を再開していなければいけなかった。
      しかし、実際にはY.P.16mを下回った平成27年9月10日22時30分頃に運転を再開した。

      あまりに遅い運転再開により、広範囲に甚大な被害を及ぼした。
      これは運転再開の判断ミスである。






posted by joso at 00:30| 検証 八間堀川排水機場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月02日

国が管理している八間堀排水機場は水位上昇局面では計画高水位超過の最高水位まで排水ポンプを動かし続けていたが、水位下降局面では氾濫危険水位になっても運転再開せず、十分水位が下がってから水門開放した。これが正しい判断だったのか?

既に騒がれていることですが、
念のためまとめておきたいと思います。
(今回は新八間堀川鬼怒川の合流地点の
八間堀排水機場の話です。)


平成27年関東・東北豪雨災害時の鬼怒川水海道地点の水位データは、
例えば、国土交通省関東地方整備局下館河川事務所が公表している
『平成27年9月関東・東北豪雨』に係る鬼怒川の洪水被害及び復旧状況等について(平成28年1月29日)
などにグラフで公表されています(7/51ページ)。
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000639863.pdf

これを見ると、鬼怒川水海道地点では

  • 氾濫危険水位 : 5.3m
     
  • 計画高水位 : 7.33m

であり、

  • 氾濫危険水位超過
    • 9月10日7時〜9月11日2時の20時間
     
  • 計画高水位超過
    • 9月10日11時〜16時の5時間(6時間の誤り?)

となっています。


これらを具体的な水位データで見てみましょう。
データは下記リンクによりました。
http://163.49.30.82/cgi-bin/DspWaterData.exe?KIND=2&ID=303031283307160&BGNDATE=20150901&ENDDATE=20161231&KAWABOU=NO

水位(m) 備考
9/10 1時 0.76
2時 1.48 八間堀排水機場の水門を閉鎖(2:00)
3時 2.46
4時 3.43
5時 4.24
6時 4.97 若宮戸溢水発生(6:00)
7時 5.62
8時 6.26
9時 6.84
10時 7.29
11時 7.67
12時 7.91 三坂地区堤防決壊(12:50)
13時 8.06 八間堀排水機場ポンプ運転休止(13:00)
14時 7.96 樋管から逆流(14:00頃)橋本町浸水
15時 7.72
16時 7.45 きぬ医師会病院ボイラ室に氾濫水流入(16:00頃)
17時 7.19
18時 6.93
19時 6.69
20時 6.47
21時 6.28 氾濫水本体が市中心部流入(21:00頃)
22時 6.09 八間堀排水機場の水門を全開(22:30)
23時 5.92
24時 5.74
9/11 1時 5.55
2時 5.34 294バイパス(新井木)胸程度の水深(2:00頃)
3時 5.15
4時 4.92 市中心部、市役所周辺胸まで浸水
5時 4.70
6時 4.48
7時 4.26
8時 4.06
9時 4.00
10時 3.91
11時 3.78
12時 3.63
13時 3.51
14時 3.38
15時 3.26
16時 3.16
17時 3.05
18時 2.93
19時 2.81
20時 2.68
21時 2.57
22時 2.46
23時 2.35
24時 2.25


上表で、黄色の塗り潰しは氾濫危険水位超過
赤色の塗り潰しは計画水位超過を示します。
備考欄は下記リンク等を参考に追加してあります。


八間堀排水機場の排水ポンプの運転をストップした9月10日13時は、計画高水位超過の最も水位の高い時間でした。
排水ポンプをストップした後、どんどん鬼怒川の水位は低下し、同日17時には氾濫危険水位超過の状態まで水位が低下しました。


水位8.06mまで八間堀排水機場のポンプをどんどん動かしていて、
9月10日17時には水位は7.19mまで水位が下がっています。
約1mも低下していました。
ところが排水ポンプは動かされることなく、
9月10日22:30に水門が全開されています。
この間、ずっと水位が下がるのを国は待っていたということになります。


水位が上昇する時には氾濫危険水位超過していてもポンプを動かし、計画高水位超過になっても運転していました。
にもかかわらず、水位が低下する時には、氾濫危険水位超過が終わり、氾濫危険水位超過になってもずっとポンプを動かさず水位が更に低くなるのを待っていました。
この理由は何なのでしょう。


若宮戸地区で溢水が発生し、三坂地区では堤防も決壊しています。
その氾濫水が下流域の市中心部に来ることは明らかにわかっていたはずです。


8m位の水位で三坂地区が堤防決壊したということであれば、
たとえば水位を見ながら7.5m位を目標とした排水ポンプの運転ができたはずです。

氾濫水本体は、東京理科大学の上記リンクによれば9月10日の21時頃に市中心部に達したとなっていますので、例えば9月10日17時からでも排水ポンプを動かしていれば、第一波の氾濫水を除去でき、市中心部の住民の多くは避難する時間を十分に確保でき、取り残されることもなかったのではないかと考えられます。


私は経過が重要だと考えています。
氾濫水本体が来る前に時間があれば、
貴重な財産を失わないように対処することができた市民は多くいらっしゃると思います。

どうせ本体が来れば同じだという意見も聞きますが、
それまでの時間を有効に活用できるかどうかという大きな違いがあります。

私はやはり今回の水害は「人災」だと思えてなりません。



posted by joso at 00:35| 検証 八間堀川排水機場 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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